♪アンタあの娘のな何んなのさ!
―ホクロです。
早速ですが「AI運行バス」に乗ってきました。
AI運行バス https://yokohama.ai-bus.jp/
と言っても自動運転車ではありません。「AI運行バス」は、現在 横浜で実証実験が行われているサービスで「AIが導き出した最適効率・最適ルートで移動する乗合型公共交通」(リーフレットより)。スマートモビリティとかMaaS(Mobility as a Service)なんてワードも最近よく目にしますが、要するにAIやIoTといった技術を応用して、各種の公共交通を連携させたり、稼働効率を向上させたりすることで、利便性やコストの問題にアプローチしようというわけです。全国各地で様々な取り組みが始まっているなか、首都圏エリアでの大規模な実証実験ということで注目されています。
当社AI担当としては乗らざるをえません。
で、このサービスは「港町横浜の代表的な観光エリアである臨海地区(みなとみらい21、関内エリア)」(同上)で運行されています(実証実験は今年の12月10日まで)。
はい、ピンと来たそこのアナタ。そう、横浜のこのエリアって「けっこう歩く」んですよね。例えばこの中で【中華街、関内、横浜赤レンガ倉庫、みなとみらい】のうち2つに行きたいと思ったら、ルート(回る順序)は考えないといけないし、一箇所で予定外に時間を使ってしまったら最悪どちらか諦めることにもなりかねません。みなとみらい線は初乗180円と割高だし、駅から目的地が離れていて結局そこそこ歩くパターンが多いので、ちょっと一駅というのも躊躇します。そこへ“渡りに船”とばかり登場したのがこの「AI運行バス」というわけです。
今回はこちら↓の専用アプリを事前にダウンロードしておきました。
配車予約はかなり簡単です。地図上で乗車地点と降車地点を選ぶだけ。一瞬肩透かしを食う感じですが、本当にそれだけ(タクシーの配車アプリより簡単ではないかと)。他にオススメのスポットから選ぶ方法(飲食店などはクーポンも!)、チャットボットとのやり取りで予約する方法もあります。予約OKをタップして、AIさんがウンウンと計算をして配車が整うと【乗車ID/バスの番号/乗車予定時刻(今から〇分後)/降車予定時刻】が表示されます(登録したメールアドレスにも日英中台の4ヶ国語で通知されます)。車が来るのは7分後。(道が混んでいるのか)少々時間が空くなあ、という感じ。ちなみに運行時間は10:00~21:00で、今回は夕方の利用でした。
乗車地点は元町・中華街駅を出て2分ほどの、1888年創業の老舗パン店「ウチキパン」の“向かい側”(元町プラザの裏手)で、バス停のような目印もなく、少々不安に思う方もいるかもしれませんね。
↓アプリ上の表示が頼りです。
来てくれる車の現在位置はアプリの地図上に表示されるので、乗車場所でずっと待機していなくても、付近のお店に入るなど出来ます。これは助かりますね。
とか何とか考えているうちに4~5分で車が到着。名称は「バス」ですが実際の車はタクシーです(写真は降車後に撮影)。
助手席前の画面に【行き先(降車地点)と乗車券の番号、乗車人数、到着予定時間】などが表示されています。
さて、5分ほど走ったところで画面に別の表示が出てきました。どうやら乗り合いのお客さんが発生(?)した模様。はい、見た目はタクシーですが、このサービスはあくまで“乗合バス”。距離にして四分の一くらい進んでいたのですが、少し引き返して「ホテルメルパルク横浜」で女性二人組をピックアップ(ちなみにこちらは端末から予約された模様)。また5分ほど走って「横浜赤レンガ倉庫」でお二人は降車。


折から雨が強くなってきていたので助かったと思います。メルパルクのある山下公園付近から赤レンガ倉庫まではそれなりの距離があり、最寄りの馬車道駅からも少々歩きます。お天気なら景色もいいので良い散歩コースですが、雨ザーザー、ましてや夜ですから、ありがたやありがたや。運転手さんに「乗る方、結構多いですか?」と尋ねたところ「多いですよ、1日30組くらい」とのこと。
リスタート。ここからは降車地点の「横浜アンパンマンこどもミュージアム」まで乗り合いはなく5分ちょっとで到着。予定時刻(乗合後に再設定されています)よりは5分以上早かったです。

今回の乗車は、実証実験のエリアでは1番か2番に距離が長いコースでした。

試しに調べてみたところ、タクシーだと降車地点までまっすぐスムーズに行けた場合で約10分、大体1,200~1,300円前後でした。時間帯と道路状況にもよりますが、横浜の中心部近くで交通量も多いので実質15分くらいが平均でしょうか。今回は横浜赤レンガ倉庫を経由しているので約25分かかっていますが、今回は実証実験のため無料ですので「けっこう得した」ということになります。単純な比較は出来ないものの、実用化された場合にはこの乗合による時間増と運賃設定のバランスがモノを言いそうです。最適なルートの設定については、AIさんの頭脳を信頼するしかないわけですが・・・(そうなるとやはり擬人化・キャラクター化は不可避で必須ということになりますね?)。
途中で乗り合った二人組は雨の中をスムーズに移動出来ていましたから、長い距離より、近距離で複数回利用するのが効率的と思われます(観光周遊の利便性向上を目的にしているので当たり前ですね・・・)。ゆくゆくは、最適な観光ルートをリアルタイムでサジェスト出来たりするとさらにイイかもしれません。
“感覚的な”利便性ということで言えば、「運賃と乗車時間の積が最適ならヨシ」くらいに単純化できそうですので、例えばタクシー初乗りの半額くらいだったら、多少時間がかかってもお得という気になりそうですし、一方でタイミング良く乗れて近くまで行けるなら普通に市営バスという選択もありますから、相互に連携して最適な方を選べるというのもアリですね。
あるいは乗合で乗車時間が長くなると少し安くなる、道が空いているとか乗合が少ない時間帯は初乗りが若干高くなる、など運賃もリアルタイムで変動させ、需給バランスで利便性を最適化する、なんてことになれば、それこそ人工知能AIの面目躍如という気がしますが、いかがでしょうか。
また、決済の利便性も大事なポイントですから、各種電子マネー、交通系ICカードはもちろん、アプリ内で予約から決済まで完結出来るとか、いろいろと考えていただければ非常に便利な交通手段になりますね。
期待しております!
期待しております!
※実証実験は2018年12月10日まで。週末の横浜観光の足として、お早めのご利用をオススメします。