日本綜合経営協会スタッフblog

創業44年 日本で初めて講師派遣を専門に起業した日本綜合経営協会(東京)のスタッフblogです。

講演レポート

季節の変わり目に振り回されております。南町奉行です|´ω`)

先日、弊社ご新規のお客様ご主催の中野美加先生のご講演を聞いてきました。
(以前弊社がご案内した中野先生のお話を聞いてお問い合わせいただきました。ありがとうございます!✨)

ご講演テーマは「スシローを変えた“働き方改革”~『無理!』を『楽しい!』に変える“自立・自律型人材育成”の秘訣~」。

今回の会合は、主催者様が取引先の経営者や管理職クラスの方々をご招待した感謝会…でしたが、レジュメに誤字があり記載が感謝『祭』にΣ(゚д゚ )!
「皆様にとってより楽しく賑わうように、感謝『祭』で行こうと思います!」と笑いを取ってお話スタート。

先生がスシローの改革を委託されたのは2010年のことでした。
スシローは約10年も前から働き方改革に取り組んでいたんですね。
(まだ働き方改革という言葉はなかったため、経営改革という枠組みだったそう)

当時の飲食業界の平均離職率は38%。対してスシローは18%と元々業界の中では低い方。
ですが先生が改革に携わって以降、僅か8か月で7%減を達成!
それには労務の改善はもちろんのこと、「上司の対応が変わった」ことが大きかったと社員アンケートで明らかになったのだとか。

昭和生まれの現経営者・管理者層の人々にとって漫画やアニメといえば「スポーツ根性もの」だった。
主人公は寡黙な鬼コーチのもとボールに打たれに打たれて、コーチに嫌われないよう必死について行く。
そういうものを見て育ったために、「叩かれて当たり前、上司は教えてくれなくて当たり前。ただ根性でついて行くことが大切」と無意識に刷り込まれてきた。
「24時間働けますか?」というCMが打たれ、新入社員は「24時間働くのがジャパニーズビジネスマンなのだ!」と当然のように思っていた世代。

対して平成生まれの従業員にとっての漫画・アニメは「主人公が最初からヒーローである」ものが多い。
主人公が叩かれることはないし、仲間を大切にして(某漫画の台詞を借りて言えば)“月に代わってお仕置きが出来る”立場にある。
そういうものを見て育ったのだから「叩かれるのは想定外」なのが当たり前。
昭和世代だって叩かれるのは嫌だけど、そういう風に訓練を受けてしまっていた。

先生がある日バーで話したとあるおじいさんは「口は悪いけど情が厚くて面倒見がいい上司が良かった」としみじみ語ったそう。けれど今そんな上司は確実に評判が悪い。
60歳のおじいさんが思う「良い上司像」は現代ではもう機能していないのです。

現代の若者は無理をしないし人と比較をしない。バブル時代の「何か物を多く持てばいい」という価値観もない。
自分らしく幸せに生きることを何より考えている。
ここに大きな違いがあるのだから、経営者・管理者層が仕事に関して昭和流に伝えても実を結ぶことはほとんどない。

ではどうすればいいのか。
若者の多くが求めているのは「承認」。ここにいてこそ自分の生きがい・やりがいがあるという実感。
これをやってと言っても0.8の力しか出さないけれど、自分からやってもらうようにすれば自然と1.2の力を出すようになっていく。ここに導いてあげればいい。

ただ、高校生から新入社員にかけて、現代の若者は総じて「自分に“力”はない」と思い込んでしまっている。先生がこれまで数万人の学生・新卒者を調べたところ、“力”があると思っていたのはその内たったの2%!
そのためまずは全員に“力”があるんだよということを言葉以外で教えてあげるのがポイント。

ここでキーとなるのが「エンパワメント」。
詳しくはハルク先輩の以前の記事をご参照ください(´∀`)

モチベーションは上げたら下がってしまうだけ。
元々内にある質の高いモチベーションを見つけ出し、従業員それぞれ何がエンパワメントの元となるのかを知ることが大事!なのです。
今回も参加してくださった皆さんそれぞれの異なる「質の高いモチベーション」を引き出す内容に、会場は沸きに沸きましたよ♬
この他にも大事なポイントをお話し頂きましたが、残りは実際のご講演にて( ˘ω˘ )

スシローの事例を踏まえたお話といっても、その本質は人材育成とその定着、及び新人の扱い方と採用について等々。
飲食業界に留まらず、どの業界どの会社にも通ずるお話でとってもオススメです!
…が、それ故に中野先生は大変ご多忙。この日も札幌からのお越しで、翌日も札幌へとんぼ返りだったそうです💦(こちらの件が先に決まっていたそうで…ありがとうございます)

ご検討の際はお早めに!お問い合わせお待ちしております(∩´∀`)∩

中野美加先生のプロフィールと講演依頼はこちら



落武者(前世)です👹

先日、弊社お得意様(44年前の弊社創業時、最初にお仕事を下さった団体様です)ご主催の、パックンマックンのお二人のご講演を聞いてきました!

会場へお入りいただいた後、控室で少しお話をさせていただきました。
お二人とも とっても気さくで、私達にもお気遣いをくださる優しくて素敵な方でした!!
今回のご講演テーマは「パックンマックンお金にまつわる笑劇的国際交流」。
まずはお二人の自己紹介も兼ね、客席も巻き込んでのコントを披露。
大変恐縮ながら、マイクが立ち位置によりハウリングしてしまうトラブルもありましたが、小規模の会ということでお二人が機転を利かせてくださり「マイク無しでも聞こえますか?」と確認のうえ、コントではマイクを使わずお話してくださいました。。
さすがプロの芸人さん、良く聞き取れるお声で、はじめから会場は大爆笑!
臨機応変にご対応いただき、本当に感謝です。

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コントの次は「皆さんに自己紹介をして、交流していただきたいと思います!」と、マネージャーさんや私達スタッフも例外なく、お二人の誘導でどんどんペアが作られていきます。
ただし、ここで1つ条件。「もし宝くじ10億円が当たったらどうするか、必ず話してください!」と。
実際に私も、司会進行役の方と自己紹介し合いました。他の方々のペアも、お二人が「終了―!」と告げてからも話し続け、大盛り上がり!
交流することの楽しさと醍醐味を全員で味わいました。

ここで話題は、今回のテーマにもある「お金」について。
日本人はお金について話すことについて、なんとな~く“いやらしい”・“汚い”というイメージを持っていて、子供にお金の話をするのも「まだ早いから・・・」と敬遠しがちだが、パックンの生まれ育ったアメリカでは全然違う!
子どものお小遣いの話から節約術、お金の貯め方・増やし方まで、日米それぞれのお金に関する価値観の比較を経て、「お金とはどういうものなのか」についてお話しいただきました。
詳しくご紹介したいところですが、、、ここから先はぜひ実際のご講演をお聞きいただきたいと思います!

パックンマックンのお二人のご講演は、最初から最後まで参加型。
マイク片手に客席まで向かい参加者の方に質問を投げかけ、回答をときに笑いに変えながら進行されます。
その時々の回答に応じて笑いの取り方も違うでしょう。まさに「客席をも巻き込んだ漫才」のようなご講演会です!
私ももう一度聞きたいくらい、とても楽しいひとときでした。
笑いにあふれたご講演会を計画されたい主催者様に、ぜひご推薦させていただきたいです☺

ただ、お二人には講演会・イベント等への出演依頼が殺到中!
テレビのレギュラーもあり、かなりタイトなスケジュール状況ということです。
先の日程ですとご相談が難しい場合もあるかと存じますが、そうした点も含め、早め早めのご検討をおすすめいたします・・・!

パックンマックンさんのプロフィールと講演依頼はこちら


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夏が近づいてきましたね~、すでにこんがりなものまね四天王です👸
そろそろ梅雨の時期ですが、昨年は雨に関わる災害や地震も多い年でしたよね。
今年は災害が少ないことを祈るばかり…!

今回は弊社お得意様主催の会合で防災システム研究所・所長 山村武彦先生のご講演を聴いてきました。
賃貸住宅関係の方々のお集まりということで「マンションと企業における防災・危機管理の再点検~大規模地震に備える実践的な防災~」と題してお話しいただきました。
  
山村先生は防災・危機管理のシンクタンク「防災システム研究所」を設立され、所長に就任以来50年以上にわたって世界中で発生する災害の現地調査を行われてきたそうです。
日本各地でのご講演のほか、テレビ解説や執筆などを通じて防災意識啓発活動に取り組む傍ら、企業や自治体でも防災アドバイザーを歴任されています!
王も朝のテレビ番組でよくお顔を拝見しております😊
※以前、若草物語ちゃんの紹介記事がありますのでぜひこちらもご覧ください。

お仕事柄各地を飛び回ってなかなかお家にも帰れなかった先生に奥様が「あなたの“ぼうさい”は忘妻(ぼうさい)じゃないの!」といわれてしまったというエピソードで場の空気を和ませてお話スタート。
※すべて書くとネタバレになってしまうので一部をご紹介いたします。
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山村武彦先生のプロフィールとご講演依頼はこちら

最初に先生から、皆さんへ2つの質問。
①自分たちが住んでいる地域で近い将来大地震が起きると思う方手を上げてください→ほとんどの方の手が上がりました🙂
②その大地震はもしかして今夜か明日起こると思う方→先ほどの3分の1ほどしか手が上がりませんでした🙁
これで分かるように、大地震は起きるけど今夜は起きないと思っている人が多い。首都直下型大地震が起きる確率は30年以内に70%と言われていますが、これは30年後の話ではなく、常に70%ということ。
人は自分に都合の悪い情報は無視したり都合のいいことだけを信じようとするそう。精神衛生的には重要なことだけど、いきすぎると正常性バイアス(偏見、思い込み)になってしまう。これは、“正常な状態がずっと続くだろう” “異常事態が起きるとしてもずっと先だろう”と思いこんでしまうこと。
これがいきすぎると異常事態に適切に対応できなくなってしまうとのこと😱 どうしたら異常事態でも適切な対応ができるようになるのでしょうか?

そのためには・・・「形式的」ではなく、「実践的」な防災対策を取ることが大事
「在宅避難生活訓練」とはお家の電気、ガス、水道を止めて生活してみること。すると、懐中電灯の明かりだけでは足りない→ランタンが必要だな。など非常時に必要なことが実際に体感して分かる。
企業などでの防災訓練も形式的になりがちですが、「在宅避難生活訓練」はできれば企業でもやったほうがいい。
ある企業では在宅避難生活訓練について経営層だけでなく、社員やその家族も集めて勉強会をしている。というのも、災害時、自宅にいられる場合は避難所へ行かないほうがいいそう(王はこれにびっくりしました)。実際、熊本地震の避難者の日記には「避難所生活は地獄のような日々」とあったそうで、避難所で亡くなった方もかなりいらっしゃったそうです。その数は地震による直接的な被害者の4倍にもなったとのこと。
つまり、安全な家・会社にするのがだいじ。せめて1週間分は水や食料を備蓄し、在宅避難生活訓練をしておくこと。(先生のご自宅には3ヶ月分の水や食料があるそうです😮!)

また山村先生が提唱する「スマート防災」では、火を消す訓練の前に火を出さない準備や訓練、閉じ込められた人を助ける訓練の前に閉じ込められないようにする訓練を行うそうです。
何かが起きてからの対策ではなくて起こらないようにすることが大事とおっしゃっていました。

ここで東日本大震災のダイジェスト動画を見せていただきました。
津波が迫る中、必死に走っている女性の隣でゆっくり歩いている男性。後から男性の知人に話をきくと足腰が悪いわけでも無いそうです。ではなぜ?
じつは災害時、緊急スイッチが入らずゆっくり避難している人が結構いた。人間は災害発生時3つの行動パターンに分かれる(①落ち着いて行動できる人(10%)、②取り乱す人(15%)、③ショック状態になる人(75%))。
半分以上の人がショック状態に陥るということですね😰中にはショックから覚める人もいるけど覚めない人もおり、このような人は「凍りつき症候群」といって、心と体が凍りついて適切な行動ができず判断力が鈍っている状態にある。形式的な避難訓練だけだとこのようになりやすいが、いつでも緊急事態が起こると思っている人は緊急スイッチが入りやすいそう。

首都直下型地震は震度6強~7といわれていて、東日本大震災とは揺れ方がぜんぜん違うと予想されている。その揺れ方は阪神型(たった12~14秒の揺れで20万軒もの建物が潰れてしまった)になるのではと言われている。
素早い判断が大事になってくるということですね!では、その判断をするためにはなにをすればいいのでしょうか?
その答えは実際のご講演でお聞きください!

他にも今回は賃貸住宅関係の方々のお集まりということで、集合住宅の被災地でのお写真や賃貸管理者の方がこれから気をつけるべきことなど、皆さんの参考になるようなお話がたくさんありました。
動画の他にも各地で先生が撮影されたお写真をご紹介いただきながらのご講演はわかりやすく臨場感もあって、ご参加の皆様からも「あぁ~!」「なるほど!」と声が聞こえてきました👂実際に起きたこと、これから起こりうることですので皆さん納得され危機感を持たれた様子でした。
先生はいつも地域や聴かれる方々に合わせて内容を変えていらっしゃるそうです。今回のような専門的な内容でもできる限りご相談に乗っていただいております。いつもありがとうございます✨
落ち着いた穏やかな口調でのお話ですが迫力もあるご講演でした!
防災についてのお話を検討されている皆さんのお問い合わせ、お待ちしております😊❣

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若草物語です。大学時代の専攻は認知科学です。
弊社お得意様ご主催の安全講演会にお伺いし、芳賀繁先生のご講演を聴いてまいりました!
芳賀先生といえば、私の中での「いつか聴講させていただきたい先生」のお一人…
今年の2月末、その夢が叶いました。ありがとうございます。
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芳賀繁先生のプロフィールと講演依頼はこちら

「ヒューマンエラーと安全マネジメント ~うっかりミスと違反はなぜ起きる・どう防ぐ~」 のテーマでご講演いただきました。
今回は鉄道関係の企業様がご主催ということで、鉄道の事例を随所に引用しながらの解説となりました。

まずはエラーの種類についての説明。3種類のエラーがあります。
①入力エラー(知覚・認知の失敗)… 聞き間違い・見間違い、勘違い、早とちりなど
②出力エラー(動作・操作のミス)… 動作の失敗、不注意など
③記憶エラー … やり忘れ、失念など

①入力エラーは、あまりコストをかけずに判断してしまうことが原因。
一部から全体を想像するのは人間の能力の一つではありますが、
それによりミスが引き起こされてしまうことも。
指さし確認や、言い換えての確認(14時半→午後2時30分)をすれば防ぐことができます。

②出力エラーは、慣れた動作をあまり考えることなくできてしまうのが原因。
ここで、参加者全員で動作ミスを体験しました。
「1分間の間に、平仮名の“お”をできるだけ速く、間違えないように書いてください。
しかし、多くの人が間違えて“あ”を書いてしまうので気をつけてください」
という先生のアナウンスの後、参加者それぞれで“お”をたくさん書きました。
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こちらは私が書いたものです。1行目の後半あたりでゲシュタルト崩壊が起き、
2行目はギリギリ持ちこたえましたが、3行目で字が崩れ、“み”を書いてしまいました。
この体験から「集中しても、注意喚起をしてもミスは起きてしまう」ということがわかります。
入力エラーとは異なり、気をつけようと思っていても起きるのが出力エラー。
「いつも通りやればミスが起こらない」設計にするのが一番いい対策だそうです。

③記憶エラーは文字通り、記憶に残らなかったり、思い出すことができなかったりが原因。
タイミングよく思い出すためには、メモや付箋、アラームなどを利用すればOK。
そもそも後回しにしないということも対策の一つです。(書いていて自分に刺さります…)

エラーの次は、ルール違反について。
エラーは過失ですが、ルール違反は故意に起こすもの。
その要因は、ルールを知らない・理解していないこと、納得していないこと、強制力がないこと。
なぜ違反する(リスクをおかす)のかを分析することが必要です。


続いては、テーマにもある「安全マネジメント」について。
安全マネジメントとは、エラー・違反をどうやって未然に防止するか?というもの。

これまでの安全マネジメントは、失敗の数を減らし、ゼロにすることが目標でした。
安全とは“失敗のない状態”であり、失敗の数で安全かどうかを判断していました。
しかし、マニュアルを決めて守らせるやり方には限界があります。
なぜならば、想定していなかった事象はマニュアルでは対応できないから。
そんな中で事故が起きると、さらにルールが増えて仕事がやりにくくなる…という悪循環に。

対して、新しい安全マネジメントは、成功の数を増やすことが目標です。
安全とは“成功が続く状態”であり、変化する状況の中で、自分で考えて臨機応変に対応し
成功を続ける能力が求められています。
そこで大切になってくるのが「しなやかな現場力」!
マニュアルを守ることはもちろん、マニュアルにないことでも、必要と思われれば
上からの指示がなくても自発的に行動していくことが求められます。
また、失敗事例だけに着目するのではなく、成功事例から学ぶことも大切です。
その成功は、必然だったのか?それとも、たまたま運よく成功に終わっただけなのか?
失敗しなかったからといって安心してはいけないですね。

最後に、聴講者の方からの質問にご回答いただき、ご講演終了となりました。


基本的には鉄道の現場作業に携わる方向けの内容でしたが
気をつけるべきことや求められる能力は、仕事内容に関わらず共通しているように思いました。
ミスをしないだけではなく、臨機応変に対応できるようになることが必要ですね。

ヒューマンエラーの原因や対策、そして安全について、改めて考えてみてはいかがでしょうか?
大変お忙しい講師ですので、お早めのご計画がおすすめです!

ご無沙汰しております超人ハルクです。
遡ること2月の始め。都内にて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授でいらっしゃる的川泰宣先生のご講演を聴いてきました。

ご講演テーマは、「小惑星探査機「はやぶさ」の軌跡 ~人はなぜ宇宙をめざすのか~」。
「はやぶさの話だけでも真面目に話せば7年かかるので、ピンチに陥った時のこと、苦労話を中心にお話します」と、ご講演がスタートいたしました!

そもそも“はやぶさ”は、なぜ火星や土星などの太陽系ではなく、小惑星に向かったのか?

当時40万個といわれた小惑星は、45億数千万年前の物質がそのまま閉じ込められており、重力が小さく熱も発生しないため、変質せずに太陽の周りを回り続けていた。

昔のものがそのまま残っているこのサンプルを持ち帰れば、太陽系の昔のことが調べられると考え、アメリカやソ連も行ったことない世界初の計画が日本で始まった。

この計画は、技術的に8つの世界初を成し遂げなければならず、宇宙開発委員会にせせら笑われたが、「若い人たちがこういう無謀な計画にチャレンジすることは大変良いことだ。試験探査機だから、やれるところまでやってみなさい」とスタートを切った。

最初は岩だらけの小惑星(後の“イトカワ”)を目指すことに。
地球から点にしか見えない小惑星に近寄っていくこと(8つの世界初の内の1つ)は技術的に至難の業であった。また、何しろお金がなかった(希望額の1/4しか貰えなかった)。

そこで、「下町ロケット」のような世界、つまり大きなメーカーに頼まず、ダイレクトに町工場に頼むことにした。自分達で歩く苦労はあったが、コストの削減を図った。

小惑星のややこしさの根源は地球から遠いこと。直線距離にして3億km、太陽の2倍。
ぶつかりそうになって衛星で指示を出しても、避けられない(間に合わない)ため、
鉄腕アトムのように自力でなんでもやれる(自律航法)プログラムを作る必要があった。

小惑星に降りていく時、最初に目印を落とし、そこに向かって降りていくのが良い。
どういった目印にすべきか?小惑星は、重力がほとんどなく、弾むと脱出してしまう。
弾まないためにどうすれば良いだろうか?

飲み屋で出会った町工場の職人さんが、お手玉を見本に例えてくれた。
お手玉は落ちるときに小さい粒同士がぶつかり合い、弾む力が残らない。どんな材料で作るかではなく、中に何を詰めるかが大事とし、結局作ってもらえることとなった。
最終的に“ターゲットマーカー”というソフトボール位の大きさの目印を落とした。

このように“はやぶさ”は、みんなで手分けをし、安く軽く性能が良い多数の部品で作られている。最終的には150~160もの町工場の技術が使われており、技術はもちろんのこと、強いネットワークが大変役立った。

では、どうやって欠片(サンプル)を拾おうか。
お金がなく、探査機も大きく出来ない。30人位の若いチームが議論に議論を重ねた。

長い筒の先が接地した瞬間に弾丸を発射し表面を砕き、舞い上がったほこりをカプセルに収納する。これが確実で、しかも軽い、最良の策とされた。

“はやぶさ”を打ち上げた日は、2003年の5月9日。
打ち上げの1~2週間前に投票にて名前を決める。第一候補は“アトム”であったが、原爆を思い起こさせると候補から外され、第二候補の“はやぶさ”となった。
“ハヤブサ”は目が良く、遠くから獲物を狙い、すばやく巣に帰っていく鳥で、この探査機に非常によく似ていたからだ。

一方、小惑星は満場一致で“イトカワ”と名付けられた。日本のロケット開発の第一人者であり、的川先生の大学院のころの指導教官でもあった糸川英夫先生に由来している。

“はやぶさ”が“イトカワ”に到着したのは、2005年9月。
だが、12月には戻らないと地球に帰れないため、短期決戦であった。

11月19日午後9時、重力と複写圧を使い、ゆっくりゆっくり秒速4センチの速さで降下を開始した。途中でターゲットマーカーを落とし、「あとは“はやぶさ”にすべて任せるよ」と指令を送り、見守った。

“はやぶさ”からは高度のみが伝えられる。「5m、4m、、、1m」の後に-1mと記録された。-1mが意味がわからず、「残念ながら着陸できなかったようだ、弾丸も発射されなかった」と発表した。

データを解析してみると“はやぶさ”がバウンドしており、このバウンドにより遠ざかったため、マイナスと記録されていたのだった。

こうして第1回目は失敗に終わるも、11月26日に第2回目の着陸が始まった。
「無事に着陸、成功したから帰ろう」となるも、今度はガスジェットが誤作動、ガスが100%出尽くした。コマが3つ故障しており、代替のガスジェットも使えなくなったため、姿勢制御できず、帰れなくなってしまった。

しかし、皆は諦めなかった。毎日徹夜をしながらアイディアを出しあった。
押す能力しかなかったイオンエンジンを使い、わずかに回転をかけ、起死回生を図った。

さらに、12月8日には、通信が途絶えるという最大のピンチが訪れた。
7か月ほど、1ビット通信で探し続け、ついに地球に戻る軌道にのせることができた。
「この原動力は皆の目標が高いところで共有されていたこと」と的川先生は考えている。

ようやく帰れる・・・!と思いきや、最後まで一筋縄にはいかず!笑
ここだけの“はやぶさ”のお話。動画を交えた最後のエピソードはぜひご講演で💡

とってもチャーミングな的川先生❤帰りの電車の中でも楽しくお話してくださいました❢
最近は“はやぶさ2”のニュースもあり、タイムリーですよね!
皆様からのお問い合わせ、ご依頼、お待ちしております☏

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