若草物語です。大学時代の専攻は認知科学です。
弊社お得意様ご主催の安全講演会にお伺いし、芳賀繁先生のご講演を聴いてまいりました!
芳賀先生といえば、私の中での「いつか聴講させていただきたい先生」のお一人…
今年の2月末、その夢が叶いました。ありがとうございます。
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芳賀繁先生のプロフィールと講演依頼はこちら

「ヒューマンエラーと安全マネジメント ~うっかりミスと違反はなぜ起きる・どう防ぐ~」 のテーマでご講演いただきました。
今回は鉄道関係の企業様がご主催ということで、鉄道の事例を随所に引用しながらの解説となりました。

まずはエラーの種類についての説明。3種類のエラーがあります。
①入力エラー(知覚・認知の失敗)… 聞き間違い・見間違い、勘違い、早とちりなど
②出力エラー(動作・操作のミス)… 動作の失敗、不注意など
③記憶エラー … やり忘れ、失念など

①入力エラーは、あまりコストをかけずに判断してしまうことが原因。
一部から全体を想像するのは人間の能力の一つではありますが、
それによりミスが引き起こされてしまうことも。
指さし確認や、言い換えての確認(14時半→午後2時30分)をすれば防ぐことができます。

②出力エラーは、慣れた動作をあまり考えることなくできてしまうのが原因。
ここで、参加者全員で動作ミスを体験しました。
「1分間の間に、平仮名の“お”をできるだけ速く、間違えないように書いてください。
しかし、多くの人が間違えて“あ”を書いてしまうので気をつけてください」
という先生のアナウンスの後、参加者それぞれで“お”をたくさん書きました。
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こちらは私が書いたものです。1行目の後半あたりでゲシュタルト崩壊が起き、
2行目はギリギリ持ちこたえましたが、3行目で字が崩れ、“み”を書いてしまいました。
この体験から「集中しても、注意喚起をしてもミスは起きてしまう」ということがわかります。
入力エラーとは異なり、気をつけようと思っていても起きるのが出力エラー。
「いつも通りやればミスが起こらない」設計にするのが一番いい対策だそうです。

③記憶エラーは文字通り、記憶に残らなかったり、思い出すことができなかったりが原因。
タイミングよく思い出すためには、メモや付箋、アラームなどを利用すればOK。
そもそも後回しにしないということも対策の一つです。(書いていて自分に刺さります…)

エラーの次は、ルール違反について。
エラーは過失ですが、ルール違反は故意に起こすもの。
その要因は、ルールを知らない・理解していないこと、納得していないこと、強制力がないこと。
なぜ違反する(リスクをおかす)のかを分析することが必要です。


続いては、テーマにもある「安全マネジメント」について。
安全マネジメントとは、エラー・違反をどうやって未然に防止するか?というもの。

これまでの安全マネジメントは、失敗の数を減らし、ゼロにすることが目標でした。
安全とは“失敗のない状態”であり、失敗の数で安全かどうかを判断していました。
しかし、マニュアルを決めて守らせるやり方には限界があります。
なぜならば、想定していなかった事象はマニュアルでは対応できないから。
そんな中で事故が起きると、さらにルールが増えて仕事がやりにくくなる…という悪循環に。

対して、新しい安全マネジメントは、成功の数を増やすことが目標です。
安全とは“成功が続く状態”であり、変化する状況の中で、自分で考えて臨機応変に対応し
成功を続ける能力が求められています。
そこで大切になってくるのが「しなやかな現場力」!
マニュアルを守ることはもちろん、マニュアルにないことでも、必要と思われれば
上からの指示がなくても自発的に行動していくことが求められます。
また、失敗事例だけに着目するのではなく、成功事例から学ぶことも大切です。
その成功は、必然だったのか?それとも、たまたま運よく成功に終わっただけなのか?
失敗しなかったからといって安心してはいけないですね。

最後に、聴講者の方からの質問にご回答いただき、ご講演終了となりました。


基本的には鉄道の現場作業に携わる方向けの内容でしたが
気をつけるべきことや求められる能力は、仕事内容に関わらず共通しているように思いました。
ミスをしないだけではなく、臨機応変に対応できるようになることが必要ですね。

ヒューマンエラーの原因や対策、そして安全について、改めて考えてみてはいかがでしょうか?
大変お忙しい講師ですので、お早めのご計画がおすすめです!